婦人科で更年期の相談をすると、治療の選択肢として名前が挙がることが多いのが「ホルモン補充療法(HRT)」です。名前は聞いたことがあっても、具体的にどんな治療なのか、どんな人に向いているのか分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、HRTの基本的な考え方と、婦人科で相談する際に知っておきたいポイントを紹介します。
※この記事は治療を受けることを推奨・断定するものではなく、一般的な情報提供を目的としています。実際に治療を受けるかどうかは、必ず医師の診察・説明を受けたうえでご自身で判断してください。
HRT(ホルモン補充療法)とはどんな治療か
HRT(Hormone Replacement Therapy)は、更年期に減少する女性ホルモン(エストロゲン)を薬によって補う治療法です。日本産科婦人科学会・日本女性医学学会によるガイドラインも作成されている、婦人科領域で確立された治療の選択肢のひとつとされています。
子宮がある方の場合、エストロゲン製剤に加えて黄体ホルモン製剤を併用するのが基本とされています。これは、エストロゲン単独では子宮体がんのリスクが高まる可能性があるとされているためです。
薬の形状には、飲み薬(内服薬)、貼り薬(貼付薬)、塗り薬(ジェル)など複数の種類があり、体質やライフスタイルに応じて医師が選択するとされています。
どんな症状に用いられることが多いか
HRTは、ホットフラッシュ(発汗・ほてり)など更年期特有の症状に対する治療の選択肢として紹介されることが多くあります。また、骨密度の低下(骨粗鬆症)の予防という観点から検討される場合もあるとされています。
※症状の改善を保証するものではなく、効果の現れ方には個人差があります。
知っておきたいリスク・注意点
どのような治療にもメリットと注意点があり、HRTも例外ではありません。一般的に知られている注意点として、次のようなものが挙げられます。
- 乳がんのリスクがわずかに上昇する可能性があるといわれている
- 血栓症(血の塊による病気)のリスクが上昇する可能性があるといわれている(特に飲み薬の場合)
- 子宮体がんのリスクへの配慮から、黄体ホルモンの併用が推奨されている
これらのリスクは、年齢や持病、治療期間、薬の種類などによって個人差が大きいとされており、一律に「危険」「安全」と言えるものではありません。既往歴(乳がんの既往、血栓症の既往など)がある方は使用できない場合もあるため、必ず医師との相談のうえで、自分に合った選択かどうかを判断することが大切です。
HRT以外の選択肢もある
更年期の治療は、HRTだけがすべてではありません。漢方薬による治療や、症状に応じた対症療法など、複数の選択肢があります。どの治療が向いているかは、症状の種類や強さ、既往歴などによって異なるため、婦人科で相談しながら決めていくものとされています。
更年期向けサプリ・漢方の比較については「更年期向けサプリ・漢方おすすめ比較」も参考にしてください。

婦人科で相談する際のポイント
- 現在の症状とその程度(いつから、どのくらいの頻度・強さか)を整理しておく
- 既往歴(がん、血栓症、肝臓の病気など)を伝える
- 気になる副作用やリスクについて遠慮せず質問する
- 一度で決めず、疑問点は解消してから治療を始める
まとめ
- HRTは、減少した女性ホルモンを補う、婦人科領域で確立された治療の選択肢のひとつ
- ホットフラッシュなどの症状や骨密度の低下への対応として検討されることがある
- 乳がん・血栓症などのリスクも知られており、既往歴によっては使用できない場合もある
- 効果・リスクともに個人差が大きいため、必ず医師と相談したうえで判断する
更年期のセルフチェックについては「更年期障害のセルフチェックはどう見る?」もあわせてご覧ください。

